ソクーロフ特集2012


モーツァルト・レクイエム(日本初公開)
2004年/フランス/71分
ソクーロフの愛する街ペテルブルク。その劇場でコンサートが始まる。演奏されるのはモーツァルトの名曲《レクイエム》。人々は集まり、音楽に聴き入る。カメラはひたすら舞台と人々を追う。全編全くセリフのない画面から漂うのは、モーツァルトとソクーロフという天才二人のオ―ラである。


ビオラソナタ・ショスタコーヴィチ
1981年(セミョーン・アラノヴィッチとの共同監督)/
ソビエト/80分
ショスタコーヴィッチの音楽と生涯についての作品。旧ソビエトで最高会議代議員であり、数々の賞を授与された彼は、実は反体制派だった・・。アラノヴィッチが無名のソクーロフを共同監督に抜擢した本作は、ペレストロイカまで公開禁止だった。


モスクワ・エレジー タルコフスキーに捧ぐ
1986-1987/ソビエト/88分
名匠アンドレイ・タルコフスキー。かつてソクーロフの『孤独な声』がソビエト当局により上映禁止処分を受けた時、タルコフスキーは擁護し、更に「この映画にも欠点はあるが、それは天才による欠点だ」と評価した。そして後年ソクーロフは、そのタルコフスキーの人と思い出に捧げて本作を作った。ちなみに終章に流れるチェロの演奏は、タルコフスキーと同じく亡命者だったロストロポーヴィチによるものである。


マリア
1975-1988/ソビエト/モノクロ・カラー/40分
音楽/《子守唄》(ミハイル・グリンカ) 《納税義務者名簿》(アルフレード・シュニトケ) ベラルーシの民族音楽
ソクーロフ作品に通底するテーマ、キリスト教とロシアと<母なるもの>。彼は一人のロシア農民マリアを1975年に撮影した。それから9年後、撮影したフィルムを持って村を再訪したソクーロフを待っていたのは・・・。民俗音楽や、グリンカの《子守唄》を始めとする名曲を背景にした画面構成は、人の心に甘くじっくりとしみる。後に数多くの傑作を生み出す才能の片鱗がうかがえる作品である。


ソルジェニーツィンとの対話(劇場初公開)
1998年/フランス/180分(90分X2)
『収容所群島』『イワン・デニソーヴィチの一日』でノーベル文学賞に輝くアレクサンドル・ソルジェニーツィン(1918年~2008年)は、1974年に旧ソ連を追放され1994年に国名がロシア連邦となった祖国に帰国。本作は、ソクーロフとの間でアメリカでの暮らしに始まり文学・宗教・政治など多岐に渡り対話した、刺激的で貴重な記録である。

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