1月28日トークレポート(福島みずほさん)

『イエロー・ケーキ クリーンなエネルギーという嘘』

国会で起きていること
「イエロー・ケーキ」は、被曝が事故でなくても起こるということを描いたドキュメンタリーだと思います。「イエロー・ケーキ」と「100,000年後の安全」は最初と最後を描いている。最初から最後まで、人間は核をコントロールできない。


国会内での動き 原発再稼働が一つの大きなテーマ

では、本日は国会の動きについて大変短いですが、今起きていることをお話しします。原発の再稼働の問題が一つの大きなテーマです。そして再処理、青森県六ヶ所村に再処理工場ありますが、アクティブ試験を始めようと経済産業省がしています。動かすのをどう止めるかが大きな課題です。先週の野田総理による施政方針演説は愕然とする中味で、原子力については「原子力については中長期的に最大限低減する方向でやっていく」と言ったんです。では短期はどうなるのか。菅さんのような脱原発依存社会というようなことすら言わなかった。再稼働については去年6月海江田さんが経済産業大臣の時、事故が起きて割と直後ですが、記者会見の後、要旨を通達しました。電力が不足しているものもあり、再稼働することもお願いしたいという中味なんです。愕然としましたが、福島東電原発事故が起きても頭の中があまり変わってない。

福島原発事故の根本的検証もされてないのに再稼働しようとしている
再稼働についてはこうなんです。ストレステスト。今、大飯原発についてのストレステストが終わり、保安院がその後、様々なことを勘案して判断すると。動かすかどうかは政治家四大臣の判断になる。それはもう変な話しで、保安院としてどうやって安全を守るかという気概を示せ!みたいな形で、この間行政交渉をやったんですが、ストレステストだけでは本当に不十分で、根本的な事故の検証も一切されてなくて、ストレステストプラスアルファで再稼働するな、という立場で今、国会の中で攻防戦を繰り広げております。政府の事故調査委員会が中間報告を出しましたが、地震によって何が起きたか津波によって何が起きたのか、さえまだ明確ではありません。地震によって配管の破断が起きたんじゃないかと、様々な方が言っていますし、私もその可能性は否定できないと思っています。つまり地震で何が起きたかさえ、明らかではない、ましてや国会の事故調査委員会が今動き出しているのですが、報告を出す前につまり事故ってなんだった、ということも分からない。なのに、再稼働するのはおかしいだろう、っていま一所懸命言っているところです。でも再処理の方がもっとひどくて、ストレステストが終わってなくてもアクティブ試験をやれると言っていて、それも矛盾ではないかと、攻防戦をやっているところです。今動いている三基が全部止まる日も私は来ると思っています。しかし全部止まったとしても、その後ほとぼりが冷めるのを待ちながら再稼働をしていくのではないか、大変危惧を感じていますので、再稼働しないで、原発止めたって電力は間に合うし、大丈夫という状況をしっかり作っていきたいと思っています。

4月1日発足の原子力規制庁とは・・
もう一つのポイントは、4月1日から原子力規制庁ができる予定です。社民党は浜岡原発を止めろ、玄海原発は稼働するな、保安院は経済産業省から分離せよ、と言ってきました。今まで経済産業省と、原発をガンガン推進してきた資源エネルギー庁と、保安院は同じ代表電話番号だった。経済産業省の中に保安院があって、ちっとも規制庁としての役割を果たしてこなかったんで、これを全部ひっぺがして規制庁を作るべきだと言っているんです。だから原子力規制庁ができる前に、再稼働についてゴーサインの判断を保安院がするべきではないと思っています。福島原発事故を起こして敗れ去った保安院が安全性では役に立たなかったと、安全基準も指針も無効になったわけだから。原子力規制庁を作ることには賛成なんですが、法案の中味について環境省とやり取りをしています。
皆さん新聞でご覧になったと思いますが、今まで原発って30年経って、一応チェックしていたんですよね。で、今回40年でチェックをすると、そして場合によっては20年延期できるようになる案を今、環境省は考えています。こんなのはダメだと、段々やはり老朽化していくわけですし、福島原発事故はご存知の通り古い順から壊れていったんですよね。福島第1の1号機は2011年3月26日に40年目を迎える予定でした。だからもし30年でチェックしていたら、福島原発事故はもちろん起きていたかもしれませんが、もっと違う展開をしたじゃないかと。原子力規制庁をまともな規制庁にする必要がある。法案を作ることには賛成だが、法案の40年でチェック、20年延期できる場合によっては60年動かすということがこのまま残っていたら、賛成はできませんよ、って言っています。福島東電原発事故という凄まじいことが起きて、これからどうしていくのかというところで、もう1回みんなで力合わせて大きな声で押し返していかないと結局40年あるいは60年動かしていくようになると思います。

政府は経済効率で原発を考えているのではないか
多分政府はこう考えているのだと思います。経営者側からすれば原発は長く使う方がいいわけですよね。8千億とか6千億とか言われる原子炉の建設費が終わっちゃえば、長く使うほうが利潤が上がるわけです。とにかく長く使おうと、新規建設や増設はなかなか難しい状況の中で、とにかく長く使おうと。その間原発の輸出はやっていこうと。いずれ、中長期というか将来的に原発は日本では動かなくなるけれど、それまでは動かそうとそういう風に考えているんじゃないかと思います。

でも日本は地震大国だし、しかもエネルギー活動が活発になっている活断層のことが、報道されています。ホントに動かしてはいけない浜岡でマグニチュード8以上の地震が起きる可能性を去年、5月2日に質問したところ、87%と答えているのですよね。ところが、それ以上にまた活断層やいろんなものがまた報道されているので、私は中長期ではなくて、やっぱり再稼働させない、原発を早い段階で止めて自然エネルギー促進法などを活用していって、そこからしっかりやっていきたいと思います。

政府は脱原発方針を打ち出してない
もう一つあまり知られてないことですが、政府は脱原発の方針をはっきり打ち出してはいないんです。なんで今まで原発を推進してきたかと言うと、法律や制度や許認可、つまりきちっと法律にのっとってやってきているわけです。で、今、経産省のもとにあるエネルギー審議会でエネルギー基本計画の議論をしています。そこは飯田哲也さんなど色んな人が入っているんですが、先日出た論点整理案、私は見張り人として、きらりーんと目を光らせるためにですね、その審議会に傍聴に行ける限り行っているわけですが、論点整理案は役人の作文でひどい中味で、脱原発って、ほとんどない、ちょっとあるかどうか。しかも脱というのが非常に弱いんですね。だから、どうして脱原発に切り込まないのか、漠然と脱原発っていうのではなく、エネルギー基本計画を脱原発にすることが大切だと思っています。

政策決定場面を変えることが必要
人々の中には脱原発の意識がとても広がっているのだけど、政策の決定場面を、しっかり私達がまだ変え切ってはいないので、そこを変えていくことが必要だと思っています。この間自民党が党大会をやったら、5つ柱のうちの一つが憲法改正、もう一つが原発再稼働だったんです。ですから電力会社や色んなところが再稼働を色んな形でやろうとするだろう、と。九電もあのやらせの問題と県の関与が第三者委員会から指摘をされて、コンプライアンスのない企業には任せられない、と枝野さんは言いましたけど、社長が交代したことが再稼働への一つの地ならしだ、環境整備じゃないかという危機感を持っております。再稼働をさせないこと、<もんじゅ>を廃炉にすること、原発輸出をさせないこと、自然エネルギーを促進すること、原子力規制庁をまともな規制庁にすること。40年、20年つまり合計60年も動かせるような法律を作らないことに関して一番しっかりやっていきたいと思っていますし、是非みんなももうこれ以上、原発事故はたくさんだ、二度と原発事故を起こさないために政治を変えよう、というところにぜひぜひお力をかしていただけると大変ありがたいと思っています。